解体工事について

建物解体に関わる法律

解体工事の実施には、環境保護や作業員の安全、近隣住民の健康を守るためにさまざまな法律が深く関わっています。施主および解体業者は、そのような法律を厳格に遵守しなければなりません。解体工事に関わる重要な法律のひとつが、建設リサイクル法です。この法律では、床面積の合計が80平方メートルを超える建物の解体において、コンクリートやアスファルト、木材といった特定建設資材を現場で適切に分別し、再資源化することを義務づけています。

 

また解体工事が適正に行われるよう、工事に着手する7日前までに自治体へ工事計画を届け出る必要があり、届出をしないまま工事を強行することは法律違反となります。このような事務手続きは解体業者が代行するケースが一般的ですが、届出の義務自体は発注者である施主にあることを理解しておく必要があります。

 

また、解体によって排出された廃材は、家庭から出るゴミとは異なる産業廃棄物として扱われます。廃棄物処理法に基づき、収集運搬から最終処分までの全工程において、マニフェストを用いて、いつ、誰が、どこで適切に処理したかを、追跡管理しなければなりません。

 

ここで注意しておきたいのが、不法投棄のリスクです。もし依頼した解体業者が、廃材を山林などに捨ててしまった場合、法的には業者だけでなく施主も責任を問われたり、行政指導の対象になったりする可能性があります。そのため、解体業者を選ぶ際には、建設業の許可や解体工事業の登録を正しく保有しているかの確認が不可欠です。

 

解体工事完了後には、不動産登記法にもとづいて1ヶ月以内に建物滅失登記を法務局へ申請しなければなりません。これは、登記簿上から建物の存在を抹消する手続きです。申請を行わないと、解体後も建物が存在していることになり、固定資産税が課税され続けたり、土地の売却ができないといった事態が生じてしまいます。登記申請には解体業者が発行する取壊し証明書が必要となるため、工事完了時に確実に受け取るようにしましょう。

 

さらに、大気汚染防止法の改正により、建築物にアスベストが使用されていないか有資格者等によって事前調査を実施したり、一定規模以上の建築物は結果を届け出たりする必要もあります。

 

法令を遵守することは、手間やコストがかかるように思えることがありますが、長期的な視点で見れば、重大なトラブルや法的リスクを未然に防ぎ、土地の資産価値を適正に保つ確実な方法となります。専門知識をもつ解体業者に相談するなら、このような複雑な法的手続きも滞りなく進めることが可能です。