解体工事の豆知識

土地家屋調査士とは? 解体工事と深く関わる専門家

土地家屋調査士とは?

土地家屋調査士とは、土地や建物の所在、地番、地目、地積、構造、床面積などを正確に調査し、測量する専門家です。また、その結果を正確に登記記録へ反映させ、法務局に申請します。不動産登記には、所有権移転などの権利に関する登記と、不動産の正確な形や用途など表示に関する登記がありますが、土地家屋調査士は後者を担っています。建物を新築したときの表題登記や増築したときの変更登記、そして解体したときの滅失登記などが代表的な業務です。

また、土地の分筆登記や合筆登記を行う際には、法務局備付けの地図や地積測量図を確認したり、現地調査や隣接地所有者の立会いのもとで境界を確認し、正確な測量を実施します。こうした専門的な調査と測量によって、不動産の状況を正確に登記記録へ反映させます。

建物の解体では、工事に着手する前に敷地の境界確認を行う必要があります。敷地の境界を示す目印である、杭やプレート、石碑などの境界標は、土地の所有権の範囲を明確にする非常に重要な存在です。もし境界を正確に把握しないまま解体工事を進めてしまうと、隣地の塀やフェンスを誤って解体してしまったり、境界杭を破損してしまうといったトラブルに発展する可能性があります。このような問題を防ぐため、境界が不明確な場合や境界標が見あたらない場合には、土地家屋調査士に依頼して測量と確認を行うことが有効です。事前に境界を明確にしておくことで、解体工事を安全かつ円滑に進められます。

解体工事による影響とリスク管理

解体工事は、大きな振動や騒音をともなうため、近隣建物に影響を及ぼす可能性があります。基礎や外壁のひび割れ、建物の傾き、建具の不具合などが発生するケースに備えて、工事前に近隣建物の現況を記録する家屋調査を行う場合もあります。

なお、この家屋調査は補償会社や専門調査会社が行うものであり、土地家屋調査士の業務とは異なります。しかし、境界に関する問題や境界標の復元が必要になった場合には、土地家屋調査士が専門家として対応します。万が一、工事中に境界標が破損した場合でも、再測量を行い正確な位置に復元することで、隣地トラブルを回避できます。

解体後に必要な建物滅失登記

さらに、建物を解体したあとには、法律により1か月以内に建物滅失登記を申請しなければなりません。この手続きを行わないと、すでに存在しない建物に対して固定資産税が課税され続けたり、売却や建替え時に支障が出る場合があります。滅失登記の申請を代理できるのが土地家屋調査士です。

また、解体工事をした土地に建物を新築する場合にも、1か月以内に建物表題登記を申請する必要があります。解体から新築、土地の分筆や合筆まで、不動産の状況が変わる場面では、常に土地家屋調査士の専門知識が求められます。

まとめ

土地家屋調査士は、解体工事の前後で重要な役割を果たす専門家です。境界を明確にして正しい登記を行うことで、将来的な売却や建替え、土地活用もスムーズに進めることができます。