解体工事の豆知識

手壊し解体とは?機械解体との違いとメリット・デメリット

手壊し解体とは?

手壊し解体とは、重機を使わずに人の手で建物を解体する方法のことを指しています。ハンマーやバールなどの道具を使用し、建物の部材をひとつひとつ分別しながら丁寧に取り壊していく工法で、手解体や人力解体と呼ばれることもあります。解体工事と聞くと、大型重機で一気に建物を崩すイメージがある人も多いかもしれませんが、立地条件や法令の遵守などのために手壊し解体が必要になるケースも少なくありません。

かつては主流であった重機による機械解体は、短期間で効率よく建物を取り壊すことができるため、コストをおさえやすいという特徴があります。しかし法改正によって、解体時に発生する木材やコンクリート、金属などを分別することが義務化されました。これにより、内部の内装材や設備を手作業で撤去したうえで構造体を重機で解体する、重機併用手壊し工法が主流となっています。

手壊し解体のメリット

手壊し解体のメリットのひとつは、騒音や振動をおさえられるという点です。重機による解体の場合、大きな音や振動、粉じんなどが発生しやすく、住宅密集地では近隣トラブルにつながる可能性があります。これに対して手壊し解体は、パーツごとに取り外していくため、周囲への影響を最小限におさえることができます。

また、環境面でもメリットがあります。手壊し解体では、素材ごとに分別しながら作業を進めるため、廃材のリサイクル率が高まります。さらに、古い建物に含まれている可能性のあるアスベストなどの有害物質も、慎重に取り扱うことができます。適切な事前調査と分別作業を行うことで、安全かつ法令を遵守した解体が可能になります。重機が搬入できない現場でも対応できる点も、手壊し解体の強みです。道幅が狭かったり電柱や鋭角な曲がり角があったり、袋小路の奥に建物があるといったケースでは、大型重機の搬入が難しい場合があります。

手壊し解体のデメリット

一方、デメリットとなるのが、コストと工期の問題です。手壊し解体は、多くの人員を配置して手作業で進めるため、人件費が発生し解体費用が高くなる傾向があります。また、どうしても時間をかけて作業を進める必要があり、工期も長くなりやすいため、余裕をもったスケジュールが必要です。

まとめ

手壊し解体はコストや時間がかかるものの、環境配慮や近隣対策、法令遵守の観点から重要な工法です。実際の現場では、すべてを人力で行うのではなく、状況に応じて小型重機を併用するなど、最適な方法を選択することが一般的です。手壊し解体の特性を理解したうえで適切に選択することが、安心できる解体工事につながります。