解体工事の豆知識

特別管理産業廃棄物とは?解体工事で排出される種類と注意点

特別管理産業廃棄物と通常の産業廃棄物との違い

特別管理産業廃棄物とは、廃棄物処理法で「爆発性、毒性、感染性その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有するもの」と定義される産業廃棄物です。

通常の産業廃棄物とは異なり有害性が認められるため、排出事業場ごとに特別管理産業廃棄物管理責任者を選任する義務があります。また、収集運搬から最終処分までの処理基準も厳格です。該当するのは、廃油や基準値を満たす廃酸・廃アルカリ、廃PCB等、廃水銀等、廃石綿等です。

解体工事で発生する特別管理産業廃棄物の種類

解体工事で問題になる特別管理産業廃棄物は、主に廃石綿等(アスベスト含む)と廃PCB等の2つです。アスベストを含む廃棄物は、飛散のしやすさによって以下のように扱いが分かれます。

・レベル1:吹付けアスベスト

・レベル2:アスベストを含む保温材・耐火被覆材・断熱材

・レベル3:スレート板や石膏ボードなど、アスベストとセメントを固めたもの

特別管理産業廃棄物に該当するレベル1とレベル2は飛散しやすいため、作業場所を隔離し防護服を着用して処理を行います。レベル3は、必要に応じて作業場の養生や保護衣を着用する必要があります。「石綿含有産業廃棄物」に分類されるレベル3の廃棄物は、特別管理産業廃棄物には該当しません。

PCB(ポリ塩化ビフェニル)は、1972年以前に製造された蛍光灯の安定器や建材のシーリング材などに使われており、廃PCB等・PCB汚染物として特別管理産業廃棄物にあたります。

特別管理産業廃棄物を含む解体工事での注意点

排出事業者が特別管理産業廃棄物処理を委託する場合は、許可を持つ業者と書面で契約したうえで、廃棄物の種類・性状・取扱上の注意事項を業者に文書で通知しなければなりません。処分前の特別管理産業廃棄物は、ほかの廃棄物と混ざらないように保管する措置も求められます。

アスベスト除去費用は、レベル1の方が飛散性が高く養生や作業方法が複雑になるため、単価が高くなります。PCB廃棄物も処理できる施設が限られることもあり、費用が高額になりやすい廃棄物です。

2021年から全ての解体工事において、アスベストの事前調査が義務化されました。延べ床面積80㎡以上の建築物の解体工事では、アスベストの事前調査結果を国に報告することが求められます。工事を依頼する際には、見積りに特別管理産業廃棄物の処分費だけでなく、アスベストの事前調査費用が含まれているかを確認しましょう。

まとめ

特別管理産業廃棄物は有害性のある産業廃棄物で、解体工事ではアスベストと廃PCB等が代表例です。管理責任者の選任や処理・運搬にも厳格なルールがあり、着工前にはアスベスト事前調査が義務として定められています。