産業廃棄物の処理責任とは?解体工事での責任所在と違反時の罰則
産業廃棄物の処理責任は委託しても無くならない
産業廃棄物の処理責任とは、廃棄物を出した事業者が最後まで適正に処理する責任を負うという考え方です。廃棄物処理法では「事業者は、その産業廃棄物を自ら処理しなければならない」と定められています。
自社に処理設備を持たない場合は、都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者への委託が可能です。ただし、委託すれば責任がなくなるわけではなく、最終処分が終わるまでの責任は排出事業者にあります。委託先の選定から処理の完了確認までが、排出事業者の責任範囲です。
解体工事で処理責任を負うのは元請業者
解体工事で発生した廃材について、排出事業者となるのは誰でしょうか。以前は処理を委託された業者が排出事業者になるケースもあり、責任の所在が曖昧でした。しかし、2010年の法改正により、建設・解体工事の施主から直接工事を請け負った「元請業者」が排出事業者と明確に定められました。
施主自身は排出事業者になるわけではないため、元請け業者や委託業者が不法投棄をしても、原則として罪に問われることはありません。とはいえ、不要なトラブルを避けるためにも、依頼先を選ぶ際は慎重になる必要があります。自社で処理を行っているのか、または信頼できる委託先に処理を任せているのかどうかは必ず確認しましょう。
委託のルールと違反したときの罰則
処理を委託するときは、産業廃棄物委託基準に従う必要があります。まず大切なのは、収集運搬業者・処分業者それぞれと書面で契約を結ぶことです。契約書には廃棄物の種類や数量、処分方法などを記載します。産業廃棄物処理の許可証の写しを添付することや、契約書を5年間保存することなども定められています。
アスベストを含む建物の解体では、責任はさらに重くなります。アスベストは特別管理産業廃棄物にあたるため、特別な許可を持つ業者に委託したうえで、委託前に廃棄物の性状や取扱上の注意事項を文書で伝えなければなりません。
契約書の作成を怠るなどの委託基準違反にも罰則はありますが、特に重いのが無許可業者への委託で、5年以下の拘禁刑または1,000万円以下の罰金の対象となります。また、委託先が不法投棄をした場合、原状回復を求める措置命令が排出事業者に出されることもあります。
まとめ
産業廃棄物の処理責任は、廃棄物を排出した事業者が最終処分の完了まで負うものです。解体工事では、元請業者が排出事業者にあたります。特にアスベストなど有害物質を含む解体工事では、委託基準を遵守した業者を選ぶことが大切です。

