ビルの取壊しとは?大手ゼネコン各社の工法と費用の目安
ビルの取壊しラッシュで成長市場となっている解体工事
ビルの取壊しとは、オフィスビルや商業ビルなどの中高層建築物を解体する工事のことです。国内の建設投資はピークであった1992年度頃の水準に戻りつつあり、建築業界は成長市場です。また、1954年〜1973年の高度経済成長期に建てられた建物が老朽化しており、解体工事の依頼も増加しています。
戸建て住宅の解体とビル解体の大きな違いは、周辺環境への配慮が工法そのものを左右する点です。市街地では隣接する建物が近く、人通りも多いため、騒音・振動・粉じんを抑えなければ工事が成り立ちません。そのため大手ゼネコンは、それぞれ独自の解体工法を開発して差別化を図っています。
大手ゼネコン各社の独自工法
各社の工法には、それぞれ明確な特徴があります。
大成建設の「テコレップシステム」は、最上階に屋根を残して閉じた空間をつくり、その中で解体作業を行うことで、騒音や粉じんの飛散を大幅に抑えます。大林組の「QBカットオフ工法」は、床や柱をブロック状に切断してタワークレーンで地上へ降ろし、騒音エネルギーの総量を従来工法の約4分の1に抑える工法です。
また、鹿島建設の「鹿島カットアンドダウン工法」は、1階の全柱に油圧ジャッキを設置して2階以上を支え、最下層の解体とジャッキダウンを繰り返す「だるま落とし」のような工法です。清水建設は、ブロック状に切断した建材をクレーンで最上階から吊り降ろす工法をベースにしており、高温プラズマやARシステムを組み合わせることで、3割程度の作業時間削減を実現しました。
共通しているのは、なるべく高所での作業を減らし、外部への影響を抑えるという発想です。低層階や閉鎖空間での作業割合を増やすことで、安全性と周辺環境への配慮を両立させています。
ビル取り壊しの費用と工期の目安
ビル取り壊しの費用や工期は構造によって変わります。鉄骨造よりもRC造の方が費用が高くなり、階数が増えるほど丈夫な建材を使用しているため、坪単価も上昇します。工期は軽量鉄骨造の3階建てまでの建物であれば1ヵ月以内、RC造で2〜3ヵ月、6階以上やSRC造のビルでは3ヵ月以上が目安です。
また、費用を左右する大きな要素がアスベストです。古いビルでは吹付け材や配管の保温材、耐火被覆材に使われている可能性が高く、飛散性が高いほど除去費用が増加します。着工前には、必ず事前調査を行いましょう。一方で、鉄骨やサッシなどの金属は鉄スクラップとして売却でき、費用の一部を相殺できる場合もあります。
まとめ
ビルの取壊しは成長市場で、ゼネコン各社が騒音や粉じんを抑える独自工法を開発しています。費用や工期はビルの建材や階数によって、大きく異なります。高いビルの解体は周囲への影響も大きいため、慎重に解体工事を進めることが大切です。

